十和田奥入瀬芸術祭最終日、そして前日に地元紙東奥日報へシャッターガイが掲載されたこともあって、現代美術館市民活動スペースの制作エリアをたえずお客さんが訪れます。
23日(土)芸術祭を鑑賞しにいらしていた、公立はこだて未来大学の教授と学生さん、千葉からお越しのお客様たちと話がはずみ、商店街の谷村食堂さんでお昼をご一緒することになりました。
こちらのお店知る人ぞ知るカツカレーのオーダーが多いお店。その話を聞いて、皆、カツカレーをオーダーしました。
こちらがそのカツカレー。揚げたてサクサクのカツが家庭的なカレールウの上に鎮座しています。
みなさんは、午後からのシンポジウム『脱芸術祭‐今、十和田奥入瀬芸術祭で芸術祭をするわけ』を聴講しにいらしていましたので、いちど一緒に美術館へ戻り、制作を行いました。
24日(日)、芸術祭最終日ということもあり、山車小屋台の制作も大詰め。美術館と街をいったり来たりしながら、形にしていきました。
中央商店街(中央デパート)の入口を中に進むと、すっかり仲良くなった男子専科 学生専科 ビッグサイズの店 山田洋品店のご主人とあったかい店内で、歓談する声が聞こえてきます。
この日は大相撲千秋楽で、日馬富士が幕内優勝を決める大一番。ストーブを囲み、勝敗の行方をハラハラしながら見守り、応援しています。
入り口にも商品がたくさん陳列されています。この間をくぐって、いつも移動していました。
山車小屋台も三層になりました。十和田で手に入れた廃材(High-財)が、とてもユニークに配されていました。
シャッターガイ、たくさんの街の方達と出会いました。もちろん、まだまだ出会えていない方もいらっしゃいますが、それはまた次の機会に。
街なかアートプロジェクト参加経験のあるアーティストさんが、初めて訪れた十和田でそれぞれのお店の歴史が刻まれた廃材(High-財)を得るという“口実”を通し、ごく自然体で商店の皆さんと仲良くなり、溶け込んでいく過程が印象的でした。街を車で行きかうお客さんからも注目されていました。
一般的にネガティブなイメージを持たれやすいシャッター街というワードを、ポジティブに転換する力を秘めた「シャッターガイプロジェクト」。
すこし前までは、商店街で商品を購入するだけでなく、誰でも店に気軽に立ち寄り、なにげない話をすることも、その機能や風景のひとつでした。
シャッターガイが出没することで、現在営業しているお店の皆さんの素顔や思いがけない一面をのぞくことができ、こうしてお伝えすることができたこと自体、市内在住者からみた商店街各店のイメージを変えた=心のシャッターを開けたということのような気がします。
かつて当たり前のようにそこにあった商店街のあたたかさや、存在意義などを改めて考えることができました。
商店街が日常にある風景が当たり前だった世代と、商店街を知らない若年層の空白を埋めるきっかけ。それがシャッターガイプロジェクトで垣間見えた一面だったのではないでしょうか。
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シャッターガイ街へ② ちいさなアシスタント&和酒女子ツアー御一行と出会う
Write & Photo : Terui