まちなか、大学通り沿いを進むと、ショーウィンドウに貼られた色鮮やかなケーキの写真が目にとまります。
今回ご紹介させていただくのは、創業40年を越えて地元のみなさんから愛されているお店「京甘堂」さんです。
お店に入ると色彩鮮やかなケーキの豊富さに驚かされます。
明るく親しみを感じる雰囲気の店内は、ご主人が厳選した香り高いフランスの伝統紅茶と手づくりの絶品スイーツがあります。
京甘堂さんの御菓子の中でも、知る人ぞ知る歴史ある御菓子が『琅玕(ろうかん)』です。
ご店主が修行時代に考えてつくられたものです。
十和田と青森の恵みをちりばめた宝石と言われる御菓子です。
羊羹によってコーティングされて宝石みたいに艶々と輝いています。
当初、『琅玕(ろうかん)』は青森県産りんごの餡だけでしたが、その後カシス餡も出来たそうです。
このりんご餡は、本当にキラキラして綺麗です。
餡は、青森県産りんごを使った風味豊かな餡と工房で手づくりしているカシスの餡の2種類があります。
どちらも果肉が入っていて、さわやかな香りと甘みが口いっぱいに広がります。
りんご餡は、果肉の食感も楽しめ、カシス餡はとても食べやすいです。
ここで、『琅玕(ろうかん)』のエピソードをご紹介。
そもそも、この『琅玕(ろうかん)』という言葉の意味は「とろみと透明感のすっきりした緑色を有した美しい最上級の翡翠」だそうです。
琅玕は中国語で青々とした美しい竹を意味し、英語ではインペリアルジェイドと呼ばれるそうです。
これは西太后が熱狂的な収集家であったことに由来するとされています。
それほど美しい宝石、『琅玕』。
佳人 九条 武子(くじょう たけこ)も、
「琅玕の珠をとかしていまだ足らず
なに秘めたりやこの湖のいろ」
と、十和田湖の水の色に感銘し湖上で詠ったそうです。
京甘堂の『琅玕』は、そんな十和田湖の美しさを讃えた歌にちなんだ銘菓です。
今でもご店主はさらさらと九条武子の歌が出てきます。
お持ち帰りはもちろん、喫茶ルームもあるので、ゆったりティータイムを過ごせます。
今回、喫茶ルームにてスイーツとドリンクを頂きましたので、スイーツもあわせてご紹介!
■八甲田山(冬)330円
今回、私たちが選んだ冬期限定のチョコレートケーキ。
艶やかなチョコがかけられています。
中には甘酸っぱいカシスゼリーが入っています。
濃厚なチョコムースのほろ苦さと、カシスの酸味が美味しいです。
また、この八甲田は春はさくら色、夏はさわやかなマンゴーなど、季節によって変わるそうです。
季節ごとに
オールシーズン食べてみたいですね。
■京甘堂のパルフェ440円
たっぷりの色鮮やかなフルーツがたくさん、特に苺に惹かれて思わず頼んでしまいました。
パルフェとはフランス語で「完成する」という意味。
お店の名前まで付いていますから、さらに期待してしまいます。
濃厚なチョコレートムースと甘い生クリームを、様々なフルーツに絡めていただきます。
甘さの中に、さっぱりとしたフルーツがとても美味しい!
しかも、フルーツによって味が異なるものうれしいです。
さらに、フルーツの下にある、ケーキのスポンジもムースとクリームをあわせて食べてみると絶品!
自分で自由に食べ方や食べる順番を選んで楽しめるのもいいですね。
ボリュームもたっぷりです。
そして、さらにご紹介したいのは、このパルフェの下に敷かれている「ほんものがある。心がある京甘堂の菓子」というしおり。
気遣いがあってお洒落でいいですね。
今回、私たちはケーキセットを活用させていただきました。
ケーキセットは、お好きなお飲み物とお好きなケーキ1品(※260円以上のケーキに限り)で、なんとケーキが3割引になる、お得なセットです。
さらに、十和田にちなんだ御菓子も発見しましたのでご紹介です。
■奥入瀬菓樹185円
抹茶チョコのしっとりカステラとバタークリームがロールケーキになっています。
さらにシュー皮で包まれています。
奥入瀬渓流に佇む大木のような見た目と味でどっしりしています。
■幸運クッキー280円
以前、まちねた部でもご紹介した、幸せを呼ぶという馬の蹄鉄を形どりしたクッキー。
ラムレーズンとバタークリームが少し固めのクッキーに挟み込まれています。
なんでも、「ラッキーがついてまわる」とのこと。
しろたものさとに続き、ここにもパワースイーツを発見です!
そして、ドリンクも本格的です。
フランスの本格的な紅茶が揃っています。
豆を挽いて、サイフォンで入れたてのコーヒーは香り良く、砂糖いらず。
スイーツとの相性もばっちりです。
また、面白いサービスを見つけました。
お好きなイラストを用いたデコレーションケーキも制作しているそうです。
みなさん、お祝いに予約されるみたいです。
これは楽しいですね!
美術館にちなんだケーキも発見!
フラワー・ホースのケーキです。
とても鮮やかです。
ここで作っている方の紹介です。
写真は、『琅玕』を考案したお父さんに続いてパティシェになった下川原さん。
取材のときにお話をきかせてもらって、強く感じたのは、
青森の魅力、十和田の魅力を御菓子を通じて発信したい!
という心意気、こだわりです。
今回の記事では紹介しきれないほど、お店には十和田縁の銘菓が数多くあります。
下川原さんたちは、地元の材料を使うことはもちろん、地元ならではのモチーフを活かした御菓子づくりに励まれています。
みなさんにもぜひ、十和田の魅力を目で、舌で味わってみて欲しいです。
そして、喫茶ルームでは、ゆったりとしたひとときを楽しんでください。
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『菓子工房 京甘堂』
■TEL:0176-22-0976
■営業時間:9:00~22:00
■不定休
■駐車場:有り
■住所:青森県十和田市東十二番町20-25
※美術館からおよそ徒歩18分、自動車7分
【MAP】
詳細ルートはこちら ⇒ ★
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お忙しい中、快く取材にご協力いただきましてありがとうございました。
【取材】高岡展子+新岡恵【写真】高岡展子【文章】高岡展子+土井太陽