まち歩き もみじ納豆~こだわりの納豆づくりは楽しみながら~

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まちねた部として十和田市ならではの食品も取り上げたい!
しかも地元の方がこだわってつくっているものを知りたい!
ということで、九州出身の副館長の「十和田の発酵食品とかおもしろそう」というつぶやきにヒントを得て、今回は発酵食品についてご紹介いたします。

さて、地元の食品を知るにはどうしたらいいのだろうと考えました。
そこで、市内の食材・食品が集まる「道の駅 とわだ」に行ってみることにしました。
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道の駅の中には、地元の野菜をはじめ、日本酒や工芸品、御菓子などたくさんの商品があります。
そんな道の駅の加工食品のコーナーへ。
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と、ここで気になる食品を発見!
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お漬物や調味料など、数多くの食品が並んでいますが、納豆はこの「もみじ納豆」だけ。
しかも、大豆に黒豆、その両方をあわせたミックスと三種類もあります。
さらに、自家製の豆!このこだわりはすごいです!
また、なぜ商品名が「もみじ」なのでしょうか。
大根と唐辛子を一緒に摩り下ろした「もみじおろし」と関係があるのでしょうか。
俄然興味が湧き、この「もみじ納豆」についてもっと知りたい!と思いました。

味も気になりまして早速、購入して食べてみました。
残念ながら、黒豆納豆とミックス納豆は売り切れていたので、オーソドックスに大豆納豆をいただきます。
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包みを解くと、納豆の良い香りが!この包みもなんだか変わってます。
中粒ということですが、1.2~1.5cm位あります。
それにしても、見事に艶々です。
粘りもしっかりしています。
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一口食べてみると、大豆の味が滑らかに広がります。
固さは柔らかめですが、形もしっかりとして崩れていないので、食感も楽しめます。
しばらく噛んでいるとほんのりと甘みが。
これは美味しいです!
ごはんが進んじゃいますね!
ボリュームもあり、2人分あるようです。
ただ、どうやら、もみじおろしとは関係ないようです。なるほど。

道の駅とわだの事務局の方に、生産者の方を教えていただきました。
ご協力ありがとうございます。

生産者の方は「豊川妙子」さん。
電話で連絡をさせていただくと、快く取材を受けてくださいました。
今回、特別に「もみじ納豆」の製作過程をご紹介いたします。

ご自宅に隣接する納豆専用の製作所でつくっているそうです。
おじゃまさせていただくと、凛々しい表情の雪だるまがお出迎え。
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なんでも、子供たちが喜んでくれるかな!?と考えてつくられたそうです。
そんなサービス精神旺盛で、優しい雰囲気の豊川さん。
豊川さんは、今年で納豆づくりは5年目だそうです。
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さて、納豆づくりは豆を水につけるところから。
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一日かけて豆を水につけ、ふやかすそうです。
黒豆よりも大豆の方が多いです。
納豆作りは3日間かかるそうです。

翌日もおじゃまさせていただきました。
製作所の扉をあけると豆の蒸した良い香りが!
素朴で優しくて、なんだか懐かしい香りです。
本当、いい香り!
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2時間10分ほど豆を圧力鍋で蒸すそうです。
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圧力鍋には、蒸し布に包まれた大豆が2つ、黒豆が1つ入っていました。
一度に2kgつくるそうで、かなりのボリュームです。
一番上に黒豆、真ん中と下が大豆です。
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もともとは真っ白だった蒸し布も、黒豆の色が移り、今ではすっかり黒色に。
年季を感じます。

今回、蒸かしたての豆も味見もさせていただきました。
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黒豆は2cmくらい。なめらかな舌触り、濃厚な栗のような甘みが口の中に広がります。
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大豆は、豆本来の味がしっかりとしています。
どちらも皮は気にならないです。
豊川さんいわく、少しやわめに蒸かしているそうです。

最初は黒豆から包んでいきます。ふっくら、艶々した黒豆は2cmくらいの大きさです。
黒豆の納豆の存在を、今回の取材ではじめて知りました。
とてもめずらしいと思います。
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次に黒豆と大豆のミックス納豆、最後に大豆納豆の順番で包んでいきます。
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具体的に、どのように包んでいくのかというと…。
まずは、しゃもじ、へらに納豆菌を吹きかけます。
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この道具たちも、いい具合に使い込まれていますね!
この納豆菌もこだわりのものだそうで、千葉から取り寄せているそうです。

豆にも吹きかけます。※写真は、黒豆と大豆のミックス。
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そして、熱いうちにかき混ぜます。
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適量を取り出します。
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そして、包んでいきます。
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この包みは経木(きょうぎ)というもので、木を曲げられるくらい薄くしたい板です。
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この経木は現代農業の書籍で調べて、岩手にある業者さんから取り寄せているとのこと。
ちなみに、最初はもう少し大きな経木を使用していたのですが、お客様からの要望で、もう一回り小さな経木を使用することにしたそうです。
お客様のために、とても研究熱心だと感じました。

豊川さんの包む作業は本当にテキパキ。
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だけど、とっても優しい手つきなんです。
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まるで赤ちゃんをあやす時のような感じです。

また、工夫として経木をとめる輪ゴムの色も、黒豆は緑、ミックスは赤、大豆はノーマル(オレンジ)とわけているそうです。
これは中身がわかるようにとのこと。
作業の随所に工夫があります。

納豆を包み終わったら、発酵部屋へ。
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この発酵部屋と納豆製造器の詳細は企業秘密とのこと。
内緒だそうです。すみません。

と、ここまでの作業が30分もしないうちに、手際よく終了いたしました。

発酵させる時間は、季節、気温によって変わりますが、翌朝まで発酵させます。
その後、納豆菌がまわるように、作業台で少し冷まし、ラッピング。
そして、完成です!お昼には道の駅へお届けするそうです。

また今回、豊川さんに色々とお話を伺うことができました。
インタビュー形式でご紹介いたします。
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■納豆づくりをはじめたきっかけはなんですか?
「もともと私は農家で、大豆や黒豆をつくってたの。(※十和田市の減反政策で豆やそばなどをつくる農家が増えているとのこと。)
自分でつくった豆を使った加工食品をつくってみたい!と考えるようになったのね。
何をつくろうか、そう考えたときに思い出したのが、自分のおばあちゃんがコタツを使って作っていた納豆のことだったの。
そして、図書館へ行って伝統食に調べてみて、納豆づくりをはじめたんだよね。」

豊川さんは「もちろん、納豆も好きだけどね。」ともおっしゃっていました。
好きな納豆の食べ方は、「よくかき混ぜた納豆に、刻んだネギを入れて、しょうゆをかける」だそうです。
ご家族はキムチを入れたりするそうです。
ちなみに、私は大根おろしを入れるのが好きです。

■なぜ「もみじ納豆」という名前にしたのですか?
「紅葉が好きだから。青い色から真っ赤に色づいていくのが好き。」

自分の好きな紅葉が商品名の由来だったんですね。

■納豆づくりで不安だったこと・大変だったことはなんですか?
「本当に0からのスタートだったから、設備をそろえるところから始めたの。
今でもそうですけど、うまくつくれるかどうか本当に不安だった。
でも、製作所もつくったし、やるしかないと!思ってつくってきたんだよ。
大変だったのは、納豆をつくる製作所で麹をつかった食品をつくろうとしたら、菌のかねあいで大失敗したこと。
3ヶ月間、納豆づくりをお休みすることになってしまったんだよね。」

さらっと教えてくださいましたが、実際にはたくさんの困難があったのではないか。そう感じました。

■納豆づくりで大切にしていること・こころがけていることはなんですか?
「サイズや固さなど、より多くのお客様に喜んでもらえるように、お客様の声を反映しています。
やっぱり、お客様が喜んでくださらないとね。」

豊川さんと話していて感じたのは、とっても研究熱心だということです。
図書館で調べたり、講演会に参加したりと、よりお客様に喜んでもらいたい!という想いが伝わってきました。
また、製作所の整理整頓も完璧でした。必要なものを、使いやすいように配置し、衛生管理へもかなり気を使われていました。

■納豆づくりでうれしいこと・楽しいことは?
「自分の納豆を気に入ってくれたリピーターがいること。
八戸から買いにきてくれる方もいる。ありがたいことだよね。
毎回、失敗しないか不安だけど、やっぱりつくるのは楽しい!
作業場で集中してつくることも楽しいし、食べて美味しいといってくれるのもうれしい。
あとは孫が「おばあちゃんの納豆が食べたい」と言って作業場にイスを持ってきて食べてくれること。
そして「美味しい!」と言われることがとってもうれしい。」

とっても素敵な笑顔で答えてくださいました。
写真は、最後に残った大豆で、お孫さん専用の小さな納豆をつくっている豊川さん。
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また、豊川さんは、「つくる楽しみってある。」とおっしゃいました。
お孫さんと一緒にかりんとうやホットケーキもつくったりもするそうです。
お孫さんも楽しみにしているとのこと。
きっとお孫さんにも、つくる楽しさが、豊川さんの姿を通して伝わっていると思いました。
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また、取材終了間際、
「豆と味噌をつかった食品も開発していきたい。今、検討中なの。」
とおっしゃっていました。
今後もさらに商品を開発していきたいという、向上心がとってもすごいなぁと思いました。

今回、忙しい中お時間をつくって頂いた豊川さん。
本当にありがとうございました。

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★『もみじ納豆』へのお問い合わせは、
「株式会社 産直とわだ」
■TEL:0176-20-8255
までお願いします。

★『もみじ納豆』は、『道の駅 とわだ とわだぴあ』でご購入できます。
<道の駅 とわだ とわだぴあ>
■TEL:0176-28-3790
※facebookページ:https://www.facebook.com/towada.michinoeki.3

■営業時間:【11月~3月】8:00~19:00【4月~10月】7時〜20時
■年中無休
■駐車場:有り
■住所:青森県十和田市伝法寺字平窪37-2
※美術館からおよそ自動車16分
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お忙しい中、快く取材にご協力いただきましてありがとうございました。
【取材】高岡展子+鳴海智子+土井太陽【写真】高岡展子【文章】高岡展子+土井太陽