彫刻作品めぐり①/佐藤忠良

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官庁街通りには、たくさんの彫刻作品が点在しています。
「彫刻作品めぐり」のページでは、官庁街通り沿いの作品を、作家ごとにご紹介していきたいと思います。
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美術館屋外、「光の橋」の展示室そばには、馬にまたがった子供の彫刻があります。

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今にも歩みだしそうな馬と、その上に乗る少年がひとり。両手を広げ、楽しげな様子です。

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佐藤忠良(さとう ちゅうりょう)作 「風(かぜ)」制作年:平成3年

■市民文化センター元館長 今純一郎氏による作品の解説
『 作者は、この作品についてこう言っています。「私は馬の彫像をつくろうとしたのではない。さわやかな緑の風のなかで、草を手に自慢気に馬に乗って楽しむ子どもを表現したのだ」と。 馬場馬術の中に、パッサージというのがあります。馬のダンスともいわれています。顔を胸に引きつけて、ボンボンとはねとぶように足をつかい、スキップを踏む情景を、この彫刻はよく表わしています。たぶん、馬の足を見るとそのリズムカルで軽快なテンポが伝わってくると思います。 作者は台座の高さを指示して、誰もが坐れるように低くしてあります。物を見る目の角度をアングルといいますが、そのアングルを台座に坐った高さと位置にすると、作品は全く違ったものに見えてきます。試してみてください。』

官庁街通り沿いにはもうひとつ、佐藤忠良の作品があります。

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十和田市中央病院前に、すらりとたたずむ美しい女性の立像です。

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「早蕨(さわらび)」制作年:昭和55年

■市民文化センター元館長 今純一郎氏による作品の解説
『佐藤忠良の製作態度は、一貫して理想的な人間像・人間美を追求することに特徴があります。 「早蕨」のモデル笹戸千津子さんは,雪どけの山から芽を出して、やわらかいながら芯(しん)の強い、たくましい剛と柔を合わせ持った蕨のような、そんな人柄です。 作品をみておわかりと思いますが、控えめのような表情をしながら、自由に伸びやかに生きる強さや健康さが、よく表現されています。 具象の世界で、佐藤忠良は日本のロダンといわれるのも、理想的人間美の追求姿勢がはっきりしているからなのです。』

佐藤忠良はブロンズ像や木彫を多数手がけており、日本を代表する彫刻家です。
また、絵本「おおきなかぶ」の挿絵なども描かれています。

■佐藤忠良作品がご覧いただける美術館を一部ご紹介
佐藤忠良記念子どもアトリエSATO CHURYO CHILDREN’S ATELIER
 札幌芸術の森美術館
佐川美術館(佐藤忠良館) 
 現在企画展がおこなわれています
 新収蔵記念 佐藤忠良素描展 アトリエのスケッチブック 
2013年11月06日(水)~2014年03月30日(日)

※彫刻作品めぐり②へ続く…